仮想通貨の「ウォレット」とは、暗号資産を安全に保管・送受信するためのデジタル財布のことです。ウォレットには「口座残高」は存在せず、ブロックチェーン上の自分の資産を管理するための鍵（秘密鍵）を保持しています。つまり、ウォレットは「仮想通貨を入れる箱」ではなく、「自分の資産にアクセスするための鍵を守る仕組み」なのです。
ウォレットの基本構造：公開鍵と秘密鍵
ウォレットは2つの鍵によって構成されています。
公開鍵（Public Key）
受け取り用アドレス。メールアドレスのように公開してOK。
公開鍵は、インターネット上で公開して使う鍵です。これは秘密鍵とペアになっています。
ビットコインの送金では秘密鍵を使って署名する必要があるので、アドレスの持ち主は秘密鍵も管理しているということになります。
秘密鍵（Private Key）
秘密鍵は、公開鍵とペアで使う鍵です。ビットコインでは、取引の送金手続きを行うときに、この秘密鍵で本人確認のサインを行います。
資産を動かすためのパスワードであり、絶対に他人に見せてはいけません。
もし秘密鍵を失うと、ウォレット内の資産にもアクセスできなくなります。
逆に、秘密鍵を盗まれれば、全資産を奪われる危険もあります。
ウォレットの種類と特徴
ウォレットは「インターネット接続の有無」で大きく2種類に分けられます。
ホットウォレット（オンライン型）
メリット
- 常にインターネットに接続しており、送金・取引が手軽である。
- 取引がスムーズで利便性が高い。
デメリット
- オンラインであるため、セキュリティ上のリスクは0ではない。
ホットウォレットの種類
①デスクトップウォレット
秘密鍵をパソコン本体のハードディスク内に保存して運用するウォレット方式です。
②Webウォレット
インターネット上のWebアプリやブラウザ拡張機能からアクセスして使うウォレットです。
ホットウォレットに適している人は？
ホットウォレットは、NFTやDeFi、ブロックチェーンゲームなどのサービスを利用したい人に必須のウォレットです。
コールドウォレット（オフライン型）
メリット
- オフラインで秘密鍵を管理するため、ハッキングの危険はない。
- セキュリティレベルが高い。
デメリット
- 利用にはやや手間がかかる。
- 頻繁に取引をする方には不向きである。
コールドウォレットの種類
①ハードウェアウォレット
仮想通貨の秘密鍵をオフラインで保管する専用デバイスで、USBメモリのような形状をしています。普段はインターネットに接続せず、安全に保管し、取引を行う際のみパソコンやスマートフォンに接続して使用します。
②ペーパーウォレット
インターネット上に秘密鍵を保存しない構造のため、ハッキングやウイルス感染といったデジタル攻撃から完全に守られます。その反面、秘密鍵が記載された紙そのものが唯一の保管場所となるため、閲覧されないよう厳重な管理と、紙の保存状態への配慮が求められます。
コールドウォレットに適している人は？
仮想通貨の売買しかしない、長期保有したい方に最適です。
ウォレットの種類
| 種類 | ウォレット名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 取引所ウォレット | bitbank / GMOコイン等 | 初心者向け 即売買可能 |
| Webウォレット | MetaMask 等 | DeFiやNFT対応 操作直感的 色々なサービスをやってみたい方向け |
| ハードウェアウォレット | Ledger Nano / Trezor等 | オフライン保管で最も安全 上級者向け |
<用語>
MetaMaskとは？
仮想通貨のお財布です。NFTやDefi等のサービスをやってみたい方は、仮想通貨取引所からMetaMaskに移して使う事になります。
セキュリティ対策の基本
重要なもの
ウォレット管理で最も大切なのは「秘密鍵・復元フレーズ（シードフレーズ）」の保護です。
<用語>
- 復元フレーズ（シードフレーズ）とは？
→ウォレットの復元に重要なもの。
守るべき3原則
- 秘密鍵は誰にも教えない
- 復元フレーズは紙に書いて保管（スクリーンショット禁止）
- 二段階認証（2FA）を設定する
<用語>
- 2FAとは？
→「Two-Factor Authentication」の略で、日本語にすると「二要素認証」になります。簡単に説明しますと、2種類の本人確認情報を使用して認証するということ。
まとめ
- ホットウォレットはオンライン型であり、利便性が高い。一方でハッキングリスクの可能性はある。
- コールドウォレットはオフライン型であり、セキュリティ強度が高い。一方で利用に手間がかかり、頻繁に使用する型には不向きである。
- 暗号資産を安全に保管・送受信するためのデジタル財布のことである。
仮想通貨が初めての場合や長期保有したいだけの場合は、取引所ウォレットをおすすめします。その理由は、大手であれば、万が一の保障やコールドウォレットで管理する取引所もあります。自分で管理するよりもはるかにおすすめです。
おすすめの講座
現在、私も学んでいる発売から1年半で2430部完売、累計2700人が受講しているしょーてぃさんの仮想通貨マスター講座について詳しくはこちら。→講座の詳細
